2019年 FFJCP


 

【お知らせ】  FFJCP2019記録集は現在編集中です。発刊まで今しばらくお待ちください。

 

【開催日】  2019年1月26日(土)、27日(日)

【会 場】  秋葉原UDX 4F Gallery(東京都千代田区外神田4-14-1)

【テーマ】  患者からみた「がんゲノム医療」を考える

【招待演者】

ティム ターナム
Vice President, Client Services
Voz Advisors
(米国 ニューヨーク)

間野 博行
国立がん研究センター
がんゲノム情報管理センター長・
研究所長

田村 智英子
認定遺伝カウンセラー(米国・日本)
FMC東京クリニック
医療情報・遺伝カウンセリング部
順天堂大学医学部附属順天堂医院
遺伝相談外来
独立行政法人岩国医療センター
家族性腫瘍相談外来

【参加者】 56団体 102名(25都道府県)

【プログラム】

開会宣言

FFJCP2019プログラム企画委員の浦嶋偉晃さんより、開会宣言がなされました。

特別セッション:災害への対応

2018年、日本各地で起こった地震や豪雨災害を受け、災害への対応をテーマとした特別セッションを行いました。FFJCP2019プログラム企画委員の川﨑陽二さん、若尾直子さんの進行のもと、実際に災害が起こったとき患者会としてどのような対応を行ったのか、患者団体より2名にご講演いただき、講演前後にはアンサーパッドを使って会場の参加者への意識調査を行って、災害への対応について議論しました。

『西日本豪雨災害 備忘録』
 中川 圭/認定NPO法人乳がん患者友の会きらら

『熊本地震 その時、患者会はどうした?』
 山内 千晶/福岡がん患者団体ネットワークがん・バッテン・元気隊

ポスタープレゼンテーション:参加患者団体の活動紹介

全ての参加団体には事前にポスターを作成いただき、A・B・C・Dの4つのエリアに分かれ、現在の活動報告や今後取り組みたい活動等を中心に発表いただきました。各エリアの進行は、FFJCP2019プログラム企画委員の浦嶋偉晃さん、織茂聡さん、木村建吉さん、繁田里美さんが行いました。

ベストポスター賞:表彰式

参加者投票により、Aでは認定NPO法人オレンジティ、BではNPO法人広島がんサポート、Cでは福岡がん患者団体ネットワークがん・バッテン・元気隊、DではNPO法人がんと共に生きる会が、それぞれ選ばれ、表彰式では発表内容の説明および受賞コメントをいただきました。

特別講演1

米国のがんゲノム医療の実態について、プレシジョン・オンコロジーのこれまでの歴史や現状、遺伝子検査の実態や遺伝子情報差別禁止法、また患者会のアドボカシー活動などについてご講演いただきました(同時通訳付き)。その後、日本におけるがんゲノム医療の実態について、がんの発生するメカニズムから研究が進む治療薬、そして現在日本で整備が進められているがんゲノム医療における治療体制についても講演いただきました。FFJCP2019プログラム企画委員の織茂聡さん、眞島喜幸さんの進行のもと、講演前後にはアンサーパッドを使用して、会場の参加者への意識調査を行い、最後はパネルディスカッションで議論を深めました。

『プレシジョン・オンコロジー 新たな治療方法に対するアドボカシーの対応』
 ティム ターナム/Voz Advisors

『日本ではじまるがんのゲノム医療』
 間野 博行/国立がん研究センター

特別講演2

遺伝カウンセリングとはどのようなものかの概要と、遺伝子検査とはどういったもので、どういった注意点やメリットがあるのか、また米国の遺伝カウンセリングの実情を日本と比較し、どのような課題があるかについて講演いただきました。FFJCP2019プログラム企画委員の木村建吉さん、中川圭さんの進行のもと、若尾直子さんが患者役となり、講演後には実際の遺伝カウンセリングの様子をロールプレイで実演していただきました。

『がん診療に遺伝情報を活かす その意義と課題を考える』
 田村 智英子/FMC東京クリニック

ワークショップ:グループディスカッションおよび発表

グループディスカッションへの導入として、災害への対応ならびにがんゲノム医療についての基調講演を行っていただきました。

『東日本大震災そして今』
 鈴木 牧子/ひいらぎの会

『患者会としてゲノム医療について知っておきたいこと』
 眞島 喜幸/NPO法人パンキャンジャパン

グループディスカッションでは10グループに分かれて、下記4つのテーマの中の1つをそれぞれ討議していただきました。グループでのディスカッション後には、全てのグループに討議内容を発表していただきました。

【討議テーマ】①遺伝カウンセリングの現状と課題、②患者会としてがんゲノム医療について知っておくべきこと、
③ゲノム医療に関する相談を受けたときにすべきこと、④患者会としての災害への備えと、災害時の対応

総合討論

最後に、2日間のプログラムを振り返り、FFJCP2019プログラム企画委員の繁田里美さん、浦嶋偉晃さん進行のもと、全体での総合討論を行いました。遺伝カウンセリングについては実際に体験された方からの意見を聞いたり、初参加団体の代表者からのコメントをいただいたり、アンサーパッドを使っての意識調査も行いました。最後には「がん教育」に関する問題提起があり、今後のがん教育の進め方などについて議論を行いました。

閉会宣言

FFJCP2019プログラム企画委員の織茂聡さんより、閉会宣言がなされました。

最後に

CHAAO常務理事より、「患者からみた『がんゲノム医療』を考える」をテーマに、ゲノム医療とプレシジョンメディシン、そして災害時の患者会の活動について、実り多い意見交換や議論がなされ成功裏に終了できたことに対し、プログラム企画委員、ファシリテーター、ボランティア、そしてポスターの準備・発表を行っていただいたすべての参加者の皆さまへ御礼を申し上げました。そして、CHAAOは2019年4月1日より、新たに公益財団法人東京生化学研究会 CHAAO事業として活動を継続していくことをご報告しました。今後は公益団体としての要件を満たすよう、FFJCPの開催・運営方法について抜本的に再検討するため、FFJCPは今回をもって終了し、新たな形での開催に向けた準備を行っていくことをご報告しました。

【参加団体】

がん患者・家族の支援会 enn、特定非営利活動法人キャンサーサポート北海道、とかち女性がん患者の集い プレシャス、北海道肺がん患者と家族の会、特定非営利活動法人パンキャンジャパン北海道アフィリエート、盛岡かたくりの会、秋田県がん患者団体連絡協議会 きぼうの虹、特定非営利活動法人 がんピアネットふくしま、ひいらぎの会、群馬県がん患者団体連絡協議会、子宮・卵巣がん患者会 みゅらりっぷ、ぴあサポぐんま、アイビー千葉、NPO法人支えあう会「α」、NPO法人パンキャンジャパン、公益財団法人がんの子どもを守る会、Fellow Tomorrow、NPO法人キュアサルコーマ、特定非営利活動法人 血液情報広場 つばさ、NPO法人がんノート、慢性骨髄性白血病患者・家族の会 いずみの会、神奈川県立がんセンター患者会「コスモス」、NPO法人日本脳腫瘍ネットワーク、がん体験者の会「みのり会」、福井県がんサバイバーネットワーク会議、富山肺がん患者会ふたば、がん哲学外来とやま、NPO法人がんフォーラム山梨、山梨がんピアサポート希望の会、認定NPO法人オレンジティ、NPO法人ミーネット、ワンステップしゃちほこ、ひつじさろん、三重県がん患者とサポーターの集い、三重県乳腺患者友の会「すずらんの会」、滋賀肺がん患者会 肺ゆう会~しが~、NPO法人京都がん医療を考える会、がん患者の家族と遺族のためのサロン「ふらっと」、NPO法人大阪がんええナビ制作委員会、NPO法人がんと共に生きる会、一般社団法人グループ・ネクサス・ジャパン 大阪支部、吹田ホスピス市民塾、特定非営利活動法人 ピンクリボン大阪、がん患者グループ ゆずりは、奈良県のホスピスとがん医療をすすめる会、島根益田がんケアサロン、ほっとサロン益田、認定NPO法人乳がん患者友の会きらら、NPO法人広島がんサポート、あけぼの徳島、NPO法人AWAがん対策募金、がん患者と家族の会 キャンサーライフとくしま、公益社団法人 日本オストミー協会 徳島県支部、一般社団法人高知がん患者支援推進協議会、福岡がん患者団体ネットワークがん・バッテン・元気隊、だんでぃらいおんの会(都道府県順)

【アンケート】

参加された方へアンケートを実施し、87名より回答をいただきました。一部を紹介します。

■特別セッション「災害への対応」について

  • がん対策推進計画など自治体への政策提言、現状確認が必要だと思った。
  • 隣県との連携の重要性も理解できた。
  • 患者自身もお薬手帳を手元に置くなど事前に災害に対する対応を準備しておくと共に、災害は決して他人事ではないという思いを新たにした。
  • 患者会でのマニュアル作りなどに参考にしたいと思った。
  • 「警告が出ても災害に巻き込まれる実感がない」という言葉が印象的だった。
  • 一般的に災害に対する心構えや備えについては聞くが、治療と結び付けて考えたことはなく、今回気づかされた。
  • 災害の意識の低さ、「私の住んでいる場所は大丈夫」と思っている人が多いのが現状だと思うので、実際に体験した生の声はとても学びとなり、今後に生かせるものばかりだった。
  • 実際、災害にあった時患者会としてどう動くのか、何が必要なのか、課題がとても分かり易かった。優先順位やルールなど様々な対応方法が具体的に示され、今後の参考になった。
  • 心配でも連絡は落ち着いてからした方が良いという、被災地の生の声が聞けてよかった。

■特別講演「Precision Oncology」を聴講して

  • 遺伝子情報によって差別されないよう、法制化することは日本でも必要であると感じた。
  • 米国のアドボカシーのやり方に国民性の違いを感じたが日本での慎重な進め方の良さを大事にしつつ、患者や市民の“権利”の意識を見習っていきたいと思う。
  • 米国の現状から、ゲノム医療を進める上でアドボカシーグループの役割の大切さがわかった。患者の権利や、不利益について意見していけるようもっと学びが必要と感じた。
  • 正しい情報を見きわめる力、情報に振り回されないことの大切さ、患者もきちんと勉強することの大切さが良く分かった。
  • 点滴で治療される患者は看護師やソーシャルワーカーなどの接点があるが、経口薬の治療が増え、医療者との接点が減り、孤立するとの話が印象に残った。
  • まだまだよく解らずとても難しい内容だったが、情報を得ることの大切を知った。
  • 遺伝子検査についてのアメリカの状況がわかったが、果たして遺伝子検査を自分だったら受けるかどうか、考えてしまった。
  • アメリカの現状が日本でどこまで応用できるかはわからないが、法整備など日本で起こりうる差別などに対する事案については、活かせると思う。

■特別講演「日本ではじまるがんのゲノム医療」を聴講して

  • ゲノム医療の保険適用、問題点、C-CATの整備など夢のある治療方法があるが、現状の課題もあること、過度な期待をすべきでないことを感じた。
  • 自患者会でゲノム検査を行った人が数人いるが、現状なかなか治療には結びついていない。ゲノム医療がよりよい形で進歩していくことを期待する。
  • ゲノム医療が進むと、がんに対する偏見もなくなるのではと感じた。
  • 国民皆保険があるからできること、についてもしっかり認識しておきたいと思った。
  • C-CATは是非しっかりと推進していってもらいたいが、差別問題を同時進行で取り組みしていけるよう患者側から声を上げる必要性を強く感じた。
  • 難しい問題を解りやすく話していただいたが、短い時間で理解できるものではないということが解った。患者会としても正しい情報を得る必要があるのだと思った。
  • がんは遺伝子の病気だが、遺伝病ではない、がんになりやすいリスクは遺伝しうるなど、印象的かつ象徴的な言葉だった。
  • ゲノム医療を夢の治療と思っている人が多く自分には使えない、もしくは副反応で使えなくなることなど課題がたくさんある。落胆させることもだめだが、安易な楽観ももってはいけないと思った。

■特別講演「がん診療に遺伝情報を活かす」を聴講して

  • 遺伝カウンセリングの話を初めて具体的に学ぶことができとてもよかった。
  • 遺伝子検査は高額であり、結果がよくない場合のフォローの環境整備ができておらず、簡単には決められない。
  • 遺伝カウンセラーという医療者がいることを知らなかった。田村先生の講演を聞き、必要性の意義をとても感じた。
  • ロールプレイを見ることで、より実践のイメージがつきやすかった。
  • 遺伝子検査の限界も分かり、過度な期待をするような情報提供は控えたいと思った。米国の取り組みから、遺伝に関する検査を前向きに捕らえ、知ることのメリットに注目している点は、今後日本でもそうなっていくのではないかと感じた。
  • 遺伝子検査に対して前向きに家族・自分の予防のためにという考え方はまだ出来そうな気持ちになった。米国と日本人の比較で国民の考え方の違いもあると思うが、国の法律の差も大きいかと思ったので、日本でも早く法律で守られてほしいと思う。
  • がんは遺伝子の異常が原因で生じたもので、いわゆる「遺伝」ではない。後天的な遺伝子の異常の積み重ねということが、よく理解できた。
  • 遺伝カウンセリングについて、とても分かり易かったが、ハードルはとても高い感じがした。きちんとした正しい知識を身に着けることで身近なものになると思う。
  • 難しい内容だったが、とてもわかりやすく勉強させていただいた。私自身も遺伝カウンセリングを受けてみたいと思った。

■グループディスカッションについて

  • 1グループの人数(10人程度)がちょうどよかった。2日間の学びを振り返る意味でもディスカッションと各グループの発表を聞く時間は有意義だった。
  • 難しいテーマだったが、グループの全員がそれぞれ意見を出し合え、最終的にはよくまとめられたと思う。
  • 初めての参加で考えがまとまらず、うまく意見が出せなかった。
  • 個人として、患者会として、疑問・課題・問題点など同じ考えや思いを持っている方がいることを知ることができた。同時にディスカッションにより今後の取り組みの道筋も共有できた。
  • ファシリテーターの的確な言葉がけや本題に戻す方法など進め方がとても勉強になった。
  • メンバーの住む地域や環境が違う中で、様々なテーマでディスカッションができたのは非常にいい交流で、貴重な体験であった。
  • がん種の違う方々と1つのテーマについて議論するのは知らなかったことも多数あり、今後も同様のディスカッションを是非行ってほしい。
  • 初対面ではあるが、すぐに打ち解け、意見を出し合い十分なディスカッションができたと思う。皆さんのコミュニケーション能力の高さ、意識の高さに驚いた。
  • グループディスカッションはいろいろな意見を聞ける良い機会なのでとても勉強になった。ゲノムは地域差や年齢によってとらえ方が違い、難しかった。
  • やらなければならない事があるという私達の責任の重要さをひしひしと感じた。みんながとても積極的で真剣だったので、刺激を受けた。

■今後、聴講したいテーマ

  • 患者と医療者のコミュニケーション、医療格差・地域格差、治験・臨床試験、がん教育、遺伝子検査によるゲノム医療の進展、日本以外の先進国の医療状況、iPSの展望、Patient Reported Outcomes (PRO)、Quality of life、就労支援、緩和ケア研修会、がん対策の政策議案への対応、医療技術評価と医療の継続性・安定性、 がん医療とAI(人工知能)、希少がん、重複がん、 がん相談、ピアサポーター、運営スタッフの獲得・育成、マネジメント(助成金獲得・収支報告の作成の仕方、NPO登録)、他団体との連携(他の患者会、医療者学会、企業、行政)、講演会イベントの開催、発行物・広報、ゲノム医療、医療経済分野、創薬に関して患者会ができること、AYA世代、カミングアウト(周囲への告知)、 情報リテラシー、遺族外来、治療の意思決定支援(ACPなど)、抗がん剤のジェネリックについて、C-CATの具体的な活用法・情報の入手と見極め方 など

【プログラム企画委員会】

FFJCP2019に向けたプログラム企画委員会の詳細はこちら 第1回第2回第3回

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公益財団法人東京生化学研究会 CHAAO事業