2020年 FFJCP



【開催日】  2020年1月25日(土)、26日(日)
【会 場】  秋葉原UDX 4F Gallery(東京都千代田区外神田4-14-1)
【テーマ】  患者からみた「がんゲノム医療」と「がん教育」を考える

【招待演者】

渡邊 清高
帝京大学医学部内科学講座
腫瘍内科 准教授

ジェニファー ダロット
Oncology Clinical Social Worker,
Massachusetts General Hospital
(米国 ボストン)

西原 広史
慶應義塾大学医学部
腫瘍センター
ゲノム医療ユニット長

【参加者】 46団体 75名(22都道府県)(オープン参加者14名含む)

【プログラム】

開会宣言

FFJCP2020プログラム企画委員の川﨑陽二さんより、開会宣言がなされました。

ポスターセッション

ポスター発表団体をテーマ別に公募し、応募いただいた43団体がA・B・C・Dの4つのエリアにテーマ別に分かれて発表しました。テーマはA:がんゲノム医療、B:がん教育、CおよびD:その他のテーマです。テーマに沿って、各団体の活動報告や課題、今後の取り組み等について発表いただきました。各エリアの進行は、FFJCP2020プログラム企画委員の8名が、2名ずつ各エリアに分かれて行いました。

ベストポスター賞:表彰式

参加者投票により、AではNPO法人がんフォーラム山梨、Bでは茨城がん体験談スピーカーバンク、CではNPO法人血液情報広場・つばさ、Dでは山梨がんピアサポート希望(のぞみ)の会が、それぞれ選ばれ、表彰式では発表内容の説明および受賞コメントをいただきました。

特別講演

セッション①がん教育では、帝京大学医学部内科学講座 腫瘍内科の渡邊清高先生に今後のがん教育についてご講演いただき、セッション②がんゲノム医療では、米国のがんゲノム医療の実態について、マサチューセッツ総合病院でソーシャルワーカーとして従事しているJennifer D’Alottoさんと、日本におけるがんゲノム医療の現状と今後の展開について、慶應義塾大学医学部 腫瘍センター ゲノム医療ユニットの西原広史先生にそれぞれご講演いただきました。(同時通訳付き)

進行はFFJCP2020プログラム企画委員の中川圭さん、若尾直子さん(セッション①)、織茂聡さん、眞島喜幸さん(セッション②)に行っていただき、講演前後にはアンサーパッドを使用して、会場の参加者への意識調査を行いながら議論を深めました。

『今後のがん教育について』
渡邊 清高/帝京大学医学部内科学講座 腫瘍内科

『MGH Oncology Social Work: supporting patients’ access to precision medicine』
 Jennifer D’Alotto/Massachusetts General Hospital

『がんゲノム医療の現状と今後の展開
~遺伝子検査は、日本のがん医療を変えられるか?~』
 西原 広史/慶應義塾大学医学部 腫瘍センター ゲノム医療ユニット

グループディスカッションおよび発表

2日目のイントロダクションとして、FFJCP2020プログラム企画委員の木村建吉さんより説明があった後、グループディスカッションへの導入として、がんゲノム医療とがん教育についての基調講演を行っていただきました。清和記念病院がん遺伝子検査外来の佐藤千佳子さんからは、がんゲノム医療にどう向き合っているか、医療現場での経験からご講演いただき、FFJCP2020プログラム企画委員(NPO法人パンキャンジャパン)の眞島喜幸さんからは、米国ボストンの病院(マサチューセッツ総合病院、ダナファーバーがん研究所など)を実際に訪問して見えてきたがんゲノム医療における日米の現状と今後の課題について、またFFJCP2020プログラム企画委員(NPO法人がんフォーラム山梨)の若尾直子さんからは、がん教育の今後の課題について、それぞれご講演いただきながらグループディスカッションでの論点整理をしていただきました。

『がんゲノム医療の現場から』
 佐藤 千佳子/清和記念病院がん遺伝子検査外来

『がんゲノム医療 日米の現状と今後の課題』
 眞島 喜幸/FFJCP2020プログラム企画委員(NPO法人パンキャンジャパン)

『がん教育 今後の課題』
 若尾 直子/FFJCP2020プログラム企画委員(NPO法人がんフォーラム山梨)

グループディスカッションでは9グループに分かれて、がん教育、がんゲノム医療の2つのテーマについてそれぞれ討議しました。ディスカッション後には、全てのグループが討議内容について発表し、同時に質疑応答も行いました。

総合討論

最後に、2日間のプログラムを振り返り、FFJCP2020プログラム企画委員の浦嶋偉晃さん、川﨑陽二さん進行のもと、アンサーパッドを使って参加者の理解度をみながら、全体での総合討論を行いました。

閉会宣言

FFJCP2020プログラム企画委員の繁田里美さんより、閉会宣言がなされました。

最後に

公益財団法人東京生化学研究会 常務理事より、「患者からみた『がんゲノム医療』と『がん教育』を考える」をテーマに、実り多い意見交換や議論がなされ成功裏に終了できたことに対し、ご参加いただいたすべての皆さまへ御礼を申し上げました。また今回はポスター発表などの役割参加と一般聴講のオープン参加に分け、初めての公募を実施するとともに、プログラム企画委員会を中心に議論を重ね、これまで以上に患者の皆さんの視点に立った企画、運営を目指してきたことをお伝えしました。
そして、今後はグループミーティングを作り、「がんゲノム医療」および「がん教育」について、患者の視点から1年間継続して検討する機会を作る予定であることをお伝えしました。グループミーティングの詳細については追ってご案内する予定です。

【参加団体】

特定非営利活動法人 キャンサーサポート北海道、とかち女性がん患者の集いプレシャス、NPO法人パンキャンジャパン北海道支部、特定非営利活動法人 がんピアネットふくしま、がんを考える「ひいらぎの会」、茨城がん体験談スピーカーバンク、群馬県がん患者団体連絡協議会、ぴあさぽぐんま、アイビー千葉(乳がん体験者の会)、NPO法人支えあう会「α」、NPO法人ねむの樹、NPO法人パンキャンジャパン、公益財団法人がんの子どもを守る会、特定非営利活動法人 希望の会、NPO法人キュアサルコーマ、NPO法人、血液情報広場・つばさ、NPO法人がんノート、一般社団法人 Team CML @Japan、慢性骨髄性白血病患者・家族の会 いずみの会、特定非営利活動法人肺がん患者の会ワンステップ、一般社団法人神奈川県がん患者団体連合会、がん体験者の会「みのり会」、福井県がんサバイバーネットワーク会議、富山肺がん患者会ふたば、NPO法人がんフォーラム山梨、山梨がんピアサポート希望(のぞみ)の会、認定NPO法人オレンジティ、三重肺がん患者の会、三重県乳腺患者友の会「すずらんの会」、NPO法人京都がん医療を考える会、がん患者の家族と遺族のためのサロン「ふらっと」、NPO法人大阪がんええナビ制作委員会、NPO法人がんと共に生きる会、一般社団法人グループ・ネクサス・ジャパン 大阪支部、吹田ホスピス市民塾、特定非営利活動法人 ピンクリボン大阪、がん患者グループ ゆずりは、奈良県のホスピスとがん医療をすすめる会、ほっとサロン益田、若年性がんサポートグループAYACan!!、認定NPO法人乳がん患者友の会きらら、NPO法人広島がんサポート、NPO法人AWAがん対策募金、公益社団法人 日本オストミー協会徳島県支部、福岡がん患者団体ネットワークがん・バッテン・元気隊、だんでぃらいおんの会(都道府県順)

【アンケート】

参加された方へアンケートを実施し、68名より回答をいただきました。一部を紹介します。

■特別講演「今後のがん教育について」を聴講して

  • 4月からがん教育の義務教育がスタートすることを初めて知った。外部講師の質の問題と国・県・市町村・学校・サバイバーの思いの違いがあることがわかった。
  • がん教育は相手が子供なので、子供の純粋な心を失わせることなくがん教育をする、話をすることの大切さを知った。上からがんの知識をふりかける、押しつけるのではなく、子供達に意識を持たせる事が大切だということ。それには、質問を投げかけ考えさせることが効果的であると感じた。
  • 体験談ではなく「教育」として伝えていくことの大切さと、それに伴ってしっかりとした教育現場(学校、教師、児童、生徒)と話し手の事前準備と、関係性の構築が重要であることが勉強になった。
  • がん教育の中で、将来の子供たちのキャリアパスにもつながっていくというお話は、とても興味深いものだった。正しい知識を伝える大切さと難しさを感じた。
  • 専門職チームで支えるという情報は、広い意味で大事だと思った。会話のキャッチボールができる授業は、新たな気づきにもつながるという点を覚えておこうと思う。
  • “双方向性を考える” 考えていなかったことなので、これから取り入れていきたいと思う。
  • がん教育導入に向けて学校側の理解と、学校・外部講師の連携協力が欠かせないと思った。
  • 伝え方や伝える内容については、十分考慮することが必要であること、患者会が授業として関わるのであれば、学校と密な打ち合わせが必要であると知った。国と学校だけでなく患者会も含めてがん教育について考えるべきだと思った。
  • 医療専門用語を最小限にされ、患者・家族の目線で講演され、非常に分かり易かった。

■特別講演「MGH Oncology Social Work: supporting patients’ access to precision medicine」を聴講して

  • ソーシャルワーカーの仕事が多岐に渡っているのに驚いた。
  • ソーシャルワーカーの仕事分担が日本とは大きく違うという点を知ったが、アメリカ全土がそうだという事ではないことも分かった。
  • アメリカの現状を知ることで日本が国民皆保険である上での課題もわかった。
  • プレシジョン・メディシンなどの最新医療に関しては米国だからこそ可能なこともあり、うらやましい事も多々あったが、保険制度を考えると米国では初発から治療があっても医療費の面で受けることが出来ないなど、今後の課題はまだまだあることを実感した。
  • 日本の医療現場ではもっとつなぐ役割が必要であると感じた。
  • 1病院(MGH)で年間3000件のゲノム検査の実施には驚いた。米国においても問題・課題がある事がわかり、いずれ日本での課題を考える上で役に立つと感じた。
  • 保険整備が違うところはあるが、日本は後進国としてアメリカの現状から学んで取り入れるところは少なからずあると感じた。
  • 治療だけではなく、心のケア、生活、お金等の様々なケアは素晴らしいと思った。
  • カウンセラーなど人材養成や国の予算などについてももっと知りたかった。
  • 保険制度、費用負担、治療や患者支援の体制にはそれぞれ一長一短があり、それを検証していけば日本でのゲノム解析システムから臨床研究への患者のアクセスについて、アドボカシーテーマが明確になると思った。

■特別講演「がんゲノム医療の現状と今後の展開~遺伝子検査は、日本のがん医療を変えられるか~」を聴講して

  • ゲノム医療についてよく理解できたが、問題も浮き彫りになった。
  • 病理医の話として興味深かった。がんを細胞レベルで理解するには病理医の話はとてもよいと思った。
  • パネル検査は一生に一度のみ。非常にコストもかかるので、より多くの研究が進み、多くの企業が参画することでコストが下がるよう期待する。
  • 患者会として要望書を国に提出する意義がよく理解できた。がんゲノム医療についての正しい知識、経験を得ることや、それを患者会で共有する重要性を学ぶことができた。
  • パネル検査のタイミングが、がんと診断された時になるようにして欲しいと思った。
  • 日本のゲノム医療の問題点と改善策を具体的かつ分かり易く話していただけ、勉強になった。
  • 遺伝子パネル検査に対応する病院が少ないことは課題であると思う。
  • 自費診療、がん治療への生命保険の利用については、まだまだ賛否あるように思う。

■グループディスカッションについて

  • タイムリーな話題だったので、活発なディスカッションができた。
  • 他のエリアの方と交流ができて良かった。多くの意見を聞くことができ、新たな気づきにつながった。
  • 初めての参加でなかなか声が出せなかったが、周りの皆さんのおかげで輪の中に引き込んでいただけた。皆さんの積極的な真剣な姿勢は見習いたい。
  • みなさまに助けて頂きながらファシリテーターの事も学べた事に感謝。
  • アンサーパッドで参加者の意識が良く分かった。
  • とても有意義にディスカッションができた。テーマも2つでちょうどよいと思った。
  • ゲノムとがん教育という難しいテーマを一度に話し合うには、時間が足りなかった。
  • 興味のあるテーマを選べるようにしていただきたい。

■今後、聴講したいテーマ

  • チーム医療(特にドクター以外でキャンサーボードの中心になっているケースなど)、緩和ケア、がん教育、がんゲノム医療、ピアサポート、ACP、PPIや日本の患者のビッグデータの取り扱い、費用対効果、薬価の決め方、薬価改定の原状と問題点・課題、サバイバーシップ、リンパ浮腫、医療制度、政策提言、心のケア、がんの予防(1次、2次)、香港のがん医療、薬開発の展望(分子標的薬、ICI、その他の薬)、臨床試験の展望、がんになる前の人に患者会ができること、海外の患者会の取り組み、AYA世代、がん治療と就業の両立(支援)、行政の進むべき方向性と医療現場、自然災害による緊急時のがん患者が抱える問題点とその対応事例、行政との連携・取り組み、プレシジョン・メディシンの現状と今後の展開 など

【プログラム企画委員会】

FFJCP2020プログラム企画委員会の詳細はこちら 第1回第2回第3回

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公益財団法人東京生化学研究会 CHAAO事業